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鉋の口埋め

鉋台は台直しを何度もするちに刃口が広くなっていきます。鉋台の刃口が広くなると引きが重くなったり、何により逆目が止まりにくくなってきます。

そんな時は刃口を他の木で埋めて狭くして、鉋の刃口を元の状態に戻します。その方法にはいくつかありますので紹介します。

紹介した文章の下に私がお勧めする刃口の口埋めの方法の手順を説明します。

鉋台の口埋め

鉋の台の口埋め方法の種類

上記の口埋めの画像の説明です。すべて私の愛用品を撮影してた口埋めの鉋です。

左側の鉋

中央の鉋

右側の鉋

お勧めする鉋台の口埋め方法

この方法は私が推薦する上記の右側の方法を加工手順を追って説明したものです。
加工難易が低く加工時間と材料が少なく、木の性質に逆らわない方法ですのでお勧めできます。

台を掘って埋める

埋め木は、硬い木の同じ白樫や、それよりも硬い黒檀などです、黒檀は台下刃から鉋の刃先が黒く見えて、黒檀と重なり刃先の見え方が見えにくい時があります。白樫の方が見やすい。埋め木は幅は台の刃口巾に合わせ深さは8ミリ程度、長さは10〜15ミリ程度です。大きさはお好みで良いと思います。埋め木材は掘る深さよりも厚くします。

埋める木と、彫った様子
トリマにストレートビットを取り付け深さを決めます。トリマで取れないところ、直線部分は鑿を使います。接着剤は強力なので、埋め木の両端は蟻にせず真っ直ぐで問題ありません。

口埋材の接着

接着材は木工ボンドなど、油台の場合はシンナーで接着剤の付く部分を脱脂してから(シンナーを十分に染み込ませ、その後エアダスターなどで素早く揮発させます。接着剤が付き易い様にします、油台の場合、接着剤はエポキシ系などを使います、硬化速度が速い物の方がこの場合は作業が早く進みます、また、硬化速度が速い物の方が、あとで台直しをする場合など鉋刃を傷めにくいようです。塗布後、隙間が無いように楔で埋め木を寄せます。

埋め木をしたところ

口埋め後の養生

楔で寄せた部分を今度は上からも押さえてFクランプなどで養生し台に密着させます。接着剤が乾くまでは十分養生しましょう。あとで外れて浮いていると、鉋を削る時に調子が悪くなります。

養生してクランプで押さえます。

鉋で目違いを削り取る

接着剤が乾いたら台下端面まで埋め木が出ている分を鉋で削り取ります。画像で分かるように鉋を斜めに持って削ります。出てきている鉋屑でも分かります。そうしないと埋め木の角がむしれてしまい、角に隙間が生まれます。終盤の鉋削りは刃を少なく出して丁寧に作業しましょう。

鉋での銘違い削り

刃口のライン

目違いがなくなると刃口の線が分かりやすくなります、矢印の押さえ溝の角が刃口のおおまかな仕上がりになります。この線に合わせて次の工程の治具を取り付けます。ここでこの線を割り込まないように鑿で大まかなところを取っておいても良いでしょう。

刃口のライン

刃口の仕上げ

治具をFクランプで固定して鑿を使い少しづつ削ります。治具は最初から上記矢印の線まで合わせるのではなく、埋め木の先端から1ミリぐらいづつ鑿で差して鉋の刃先が出る刃口まで削っていきます。そうしないと、硬い樫の木、黒檀は削れません。刃口まで鑿で広げたら、鉋刃の先を刃口まで出して、刃口の開き方を確認し、狭いようならば更に治具を固定し直し鑿で広げる作業をします。

鑿を使い刃口を切る

口埋めの完成

鉋の刃先と刃口が平行になる事を確認し試し削りして削れる事を確認しましょう。刃口が狭くなるので鉋屑が上がってこない時があります、鉋屑が詰まったり上がらない時は裏金の二段研ぎの量を減らす、角度をかえるなどして対処します。刃口は0.5ミリ程度でも裏金の条件を満たせば鉋屑は上がってきます。

口埋めの完成


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