純三河白名倉について

名倉砥の産地は全国の天然砥石産地の中でも一地域にしか無く(愛知県北設楽：きたしたら）郡三輪村砥山であって従来言われている様に名倉村とか名倉山から出ているのではない。三輪村の隣が振草村で振草村に隣接して名倉村があるけれども、名倉村の方からは砥石が出ていない。

恐らく昔此の辺一帯が名倉村といわれたか、或は砥石は名倉村へ運び出されて此処から諸国へ売り出された為に其名を得たものと思われる。土地の伝説では平家の落武者、名倉左近が刀を研いで見て発見したと言われており現在は閉山されています。

純三河白名倉(検浅野印)について

玉鋼の研究で有名な岩崎航介氏らの手で行われた名倉砥の調査後、当時名倉砥石のの研究では随一であった浅野長幸先生が鑑定し当時近隣の山から取れていた類似品の名倉と見分けるために「検浅野印」を押す事になった。
実際には浅野先生はその当時理容関係の主任講師をされており、鑑定の時間はなく「検浅野印」は当時名倉砥石のの鑑別の出来る流通元の坂本操氏に一任された。
純三河白名倉(検浅野印)は坂本操氏の、当時の㈲坂本商会、現㈱トヨハシ理器の商標として、全国に広められ、刃物の老舗「木屋」にも並べられた。

現在の純三河白名倉の選別鑑定

名倉の目利きは浅野長幸氏、坂本操が亡くなり現在は研磨職人　坂本守男氏のみとなる。
１代目（坂本操氏）の研磨を引継ぎさらに改良を加え、今では日本でも数少ない裏スキも出来る鋏研磨職人です。ご本人は名倉に詳しく本には載っていない貴重なお話を伺う事ができ、説明文に記載させて頂いた。

今までお目にかからなかった理由

このＨＰをご覧の皆様はほとんどが大工道具関係の方で、「検浅野｝印の純三河白名倉は主に販売元の兼ね合いで理容業界に流通したものです。
当方のお客様には数人の方がこの印の名倉についてご存知の方がおられました。
理容業界では大工道具業界よりも早く替え刃式の剃刀が一般的になり、名倉もそれに合わせて、流通が次第になくなりました。
この純三河名倉砥石のは、卸元の㈱トヨハシ理器様に長く保管されていた物です。

純三河白名倉の目白の在庫が少ない理由

刀剣用に使われたのでなく、理容師さんが好んで使ったということです。
問屋さんからデーラーさん、デーラーさんから床屋さんへ販売されるため、ボタン（砂噛み層があり板目使い）、天上（まれに気泡に砂噛みのように説明して売るものは敬遠され、コマは良さもわからず、高いので販売しないといった具合で無難な目白が販売され、目白が少なくなったそうです。

名倉が吸い付く時には

名倉砥石のが砥石に吸い付き動き難くなったり、大きい物は間に水が入り浮いたようになります。
こんな時は名倉表面に釘で碁盤目状に溝を端から端まで引き通し間隔は適当にします。
水が抜け浮き難く又空気が入りやすくなり吸い付き難くなります、削ろう会で紹介されました。

縞駒、縞ボタンの在庫が少ない理由

昭和の時代は当時採掘する坑道が２つあったそうです。
1つは白物名倉砥石のが出る坑道、1つは縞の出る坑道だったそうです。
その当時、縞物坑道は古く採掘はしていませんでした。(いつ崩れるかわからない状態で閉坑は明治、大正のころ)だから、白物坑道から採掘をしていたのですが、4年間ほど白物坑道からは良いものが出ず、掘っては捨てると言う日々が続いたそうです。
そのときに縞物坑道を再採掘。その期間の4年間は昭和35年前後から4年間ぐらいではっきりは、記憶がないそうです。
販売している縞物は再採掘した時、掘り返ししたもので縞物は実際はとても貴重なものです。
縞物坑道はその昔コマのみを採掘して他の名倉をすべて埋め戻して坑道の岩盤が崩れないように支えとしていたもので再採掘の時、取り出すことはとても危険でした。
当時は2代目坂本守男氏(現在名倉の鑑定をして頂いている方）も、坑道に入れてもらえなかったそうです) 。
さらに縞コマは、その昔採掘済みで縞ボタンはやわらかいことと、層が薄いことが原因で形にならす再採掘していませんでした。そこに縞駒、縞ボタンがほとんどない理由があります。
その後、白物名倉坑道から少し取れるようになり縞物坑道は閉鎖し、白物坑道の採掘が10年間ぐらい続き、
その数年後には白物坑道も採掘量が少なくなり、閉山に至ったそうで昭和51年より少し後で不確定です。

大工道具の曼陀羅屋について

下記のご購入案内には、注文方法、所在地、連絡先などが記載されています。
店主は建具職人歴12年、その後独立して無垢の家具製作と大工道具の販売の二束のワラジを履いて25年以上になります。
実店舗を持ち、実際のご来店の方には商品を手に取って頂きお買い物ができるようしています。

大工道具、ご購入案内
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